混沌とした頭の中を出力する

なんて事はないグルグル回っている頭の中をまとめたブログ

『予告犯』を見たら切なくなった

ボクの前職は派遣屋だ。
派遣会社のイメージってどんな風に思っているんだろう?
この映画を見ると、完全に派遣会社って最悪で、派遣社員の扱いってヒドイと思える。
派遣元で実際働いていた意見を言わせて貰うと、

 

実際はこんなに酷くはないって
派遣元も派遣先もさ

 

けれど、実際はこの映画ほど酷くは無いにしろ、流れは大体あってると思う。

ボクが派遣会社の営業になった理由は、何か人の役に立ちたいと思った事からだった。実際はヒドイもんだったが…。

このご時世、正社員になるのは確かに難しい。
色々な事情で派遣会社へ来る人がいるだろうが、仕事がなくて仕方なく派遣会社へ来る様な人は正直、後が無いような人だと思う。
色んな種類の派遣があるが、今ボクが言っているのは、誰でも出来るような仕事。要は工場の流れ作業とかで、特別なスキルを必要とする派遣は全く別物。
誰でも出来るような仕事の派遣は、ひとまず頭数が足りてれば良いのだ。
その中でも悪ければ当然切られてしまう。逆に凄く良ければ正社員に雇用して貰える事はあったが…。

本当に色々な人達を見てきた。
そんなボクが思うのは、派遣会社が悪い、派遣社員が悪い、派遣先が悪い等々、色々あるだろうが、要はその人個人の問題だと思う。
先程も言った様に、いい人材だった為に直接雇用にして正社員にしたいとかは、実際あった。
派遣元としては、そのような派遣社員は是非とも抱えて置きたい大切な売上なのだが、ボクがもともと派遣屋になった理由は人の役に立ちたいという思いからだったので、本人がしたいようにしてあげた。
けれど、そんな人は本当に稀である。
殆どの人が、コイツを正社員にしても利益にならないだろうなと思える人たちでした。

面接するのにラフな格好で来る。

遅刻する。

受け答えが生意気。

前職の退職理由がヒドイ。

友達と来る。

挙げるとキリがない。

 

ここまで、映画の話にさっぱり触れなかったが、ようやく触れよう。

犯人の四人は全然まともに思える。

ボクなら間違いなく、即、安心して派遣先を紹介すると思う。

あんな人達は全然良い。

世の中はもっとまともじゃない奴がいる。

というか、仕事をして給料を貰うって事の意味を全く分かっていないやつが多すぎる。

『この工場は幽霊が出るので、もう行きません』と勝手に仕事に行かなくなったカップルがいるが、呆れて絶句したのを今でも覚えている。
感じが良かったので、いつもなら絶対にカップルで同じ派遣先になど紹介しないのだが、完全に騙された。
彼女が霊感が強いそうで、何か感じたそうだ。
そんなの知るかっ!って言ったが
『彼女に何かあったらどうするんですかっ!?』って喰ってかかって来やがった。 
正直ボクも幽霊の類の話は苦手(一度も体験したことは無いけど)。それなら紹介した時に断れよって思ったし、彼氏のお前は関係ねーだろって頭を過ぎったけど、そのあまりにも子供じみた言い訳に

『仕事しねーで、生きていける訳ねーだろ。お前らが幽霊になれや』

って思って、いつもなら引き止めるんだが、何も言葉が出て来なかったのを今だに思い出す。

 

確かにこのご時世、貧しくても楽しく暮らして行けるってのは考えにくくなってると感じる。

みんながみんな、逆境を糧にのし上がってやろうとは思わないだろう。

けれどそんな人は、誰かの役に立てるなら小さな事でもやってやろうと思う、とボクは思う。

その結果、この映画の様な事件が起こったのは、かなり共感出来た。

 

劇中の彼らの様な経験はしてきてないが、仕組みはある程度わかっているボクからしてみたら、かなり切ない話だった。

けれど、主人公のゲイツ生田斗真)ほどの頭脳を持っていたら、間違いなくあんな境遇にはおかれないだろうなって違和感を覚えました。

ま、逆に馬鹿では話にならなかったと思うけどね。